
みなさんはオーロラを見たことがありますか? 夜空を緑や赤などの光がまるで大きなカーテンのように静かに揺れながら流れていく光景は、昔から世界中の人々を魅了してきました。この幻想的な現象、実は「地球の空気」と密接に結びついているのです。
オーロラの色は、空気の正体を教えてくれる

オーロラとは、太陽風と呼ばれる太陽から飛んできた電子を帯びた粒子(プラズマ)が地球の大気と衝突した際に引き起こされる放電現象です。
オーロラを見ると、多くの人がまず注目するのはその色ではないでしょうか。緑、赤、紫、時には青や黄色に見えることもあります。この色の違いは、太陽風が“地球を包む空気の何の原子とぶつかるか”で決まっています。 酸素原子にぶつかると、大気の空気密度によって赤か緑に、窒素原子にぶつかると青やピンクに発光するようです。つまり、オーロラの色を見ることで、オーロラが現れている高度の“空気の正体”を知ることができるのですね。
オーロラがよく見える場所は、どこ?

太陽風が地球に届くと、磁力線に沿って北極・南極付近に集まります。すると、その付近でオーロラが頻繁に発生する“オーロラベルト”ができ上がります。 オーロラは北欧・アラスカ・カナダなどでよく見られるのですが、その理由は磁極を中心とした地磁気緯度65°~75°のオーロラベルト上のエリアに位置しているためです。 太陽風と地球を包む空気は始めは目には見えませんが双方がぶつかり合うことで、あの幻想的な光景を生むわけですから、自然の力は驚きです。
オーロラにも予報がある!?

オーロラ活動の活発さを示す世界共通の指標として「Kp指数」というものが使われています。これは、過去3時間の地磁気活動の強度を0から9までの10段階の数値で示したもので、Kp値が大きくなるほど、オーロラ活動は激しくなります。Kp値が8~9レベルになると日本でも極めてまれにオーロラがみられることもあるそうですが、Kp値が6を超えると停電やGPS、通信障害を引き起こす磁気嵐が発生している状態です。そのため、もし日本でオーロラが見られた時には非常に強力な磁気嵐が発生していて、インフラ障害のリスクが高まっているという意識をもつことも大切かもしれませんね。[2]
おわりに

特定の地域でしかなかなか見ることが出来ないオーロラ。とても貴重な光景だからこそ一度は目にしてみたいものですよね。
いつかオーロラを目にすることができたときには美しさを十分に楽しんだ後に色の変化を観察してみてはいかがでしょうか? 色の変化によってまた違った楽しみ方ができるかもしれません。
空気科学住宅事務局
[1]日本気象協会 tenki.jp『オーロラって何?発生メカニズムや以外な観測スポットを解説』https://tenki.jp/suppl/m_inada/2024/11/22/32550.html
[2]株式会社ヒカリネット HIH『オーロラがなぜできるか中学生にも簡単に解説!』https://bosai-hih.jp/aurora-b/#index_id3
