霜はどうして降りるの?―霜と空気のヒミツ―

2025/12/05(金) すべて空気と雑学

寒い冬の朝、窓の外を見ると庭先が霜によって白くなっていることがありませんか?霜に覆われた草や地面が太陽の光に照らされるとキラキラ輝いて、きれいですよね。今回は、そんな冬ならではの光景を作り出す霜についてお話します。

 

霜の正体と空気の関係

霜は、空気中の水蒸気が地面や草、車などの表面に氷の結晶となって付着する現象です。あらゆる物体から熱が放出されて冷える、「放射冷却」によって地面から熱が放出され、地表付近の空気が急激に冷えます。地表が0℃以下になると、空気中の水蒸気は液体のままでいられず、氷の結晶として霜となりますが、霜が降りやすい条件は“晴れ”、“風が弱い”、“気温が約34℃以下”のときといわれています。上空に雲があると布団のような役割をして熱が逃げにくくなったり、風があると地表から離れた暖かい空気とかき混ぜられたりして、放射冷却は弱まって霜が降りにくくなります。霜は植物へのダメージが大きいため、前日の天気予報をチェックして移動できる植物は室内に移動させるなど、対策をしましょう。[1]

 

霜と霜柱の違いとは?

霜のほかに霜柱も冬の時期に見られますが霜柱はどのようにできるか知っていますか?
まず地表面が凍ると、凍っていない土の中の水分が、「毛細管現象」によって地表に向かって吸い上げられます。すると吸い上げられた水分も凍り、地表面の氷を押し上げます。これが繰り返されることによって、氷の柱が成長していき、霜柱となります。霜も霜柱も言葉は似ていますが、それぞれ、別の自然現象であることを覚えておきたいですね。[2]

 

車のフロントガラスの霜対策

朝、車のフロントガラスが霜に覆われていて外出できず困った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?急いでいると、ついつい無理にワイパーを作動させたり、熱湯をかけて解氷しようとしがちですが、傷やひび割れを発生させてしまう原因となることも。費用をかけずに霜対策をしたい方はフロントガラスを毛布やバスタオルで覆うなどの対策がおすすめです。すぐに実践でき、時間もかかりません。多少、費用をかけてもよいという方は安価な市販のグッズも多く販売されているようなので自分にあったグッズを常備しておくとよいかもしれません。 [3]

 

おわりに

霜が降りた日に庭や窓辺に広がる白い光景は、条件が揃わないと見ることが出来ないと思うと、なんだか特別な光景に感じられますね。白く輝く霜を眺めれば、冬の空気の変化や天気も身近に感じることができるでしょう。寒くてなかなか布団から出られない冬の朝ですが、霜が降りた日は冬の自然を楽しむ一つの習慣として、外に出て霜を観察してみてはいかがでしょうか。冷たく澄んだ空気を吸い込んで、太陽の光も浴びて、すてきな1日を始められそうですね。

空気科学住宅事務局


[1] 日本気象協会 tenki.jp 「霜はなぜ降りる?仕組みや条件、霜がもたらす影響と対策を徹底解説(季節・暮らしの話題 20251101) https://tenki.jp/suppl/m_seta/2025/11/01/32722.html
[2] ウェザーニュース社「二十四節気「霜降」 霜と霜柱の違いは? 」https://weathernews.jp/s/topics/201910/230065/
[3] 株式会社IDOM  norico(ノリコ)byGulliver「フロントガラスの凍結防止対策まとめ!おすすめの方法とグッズは? - クルマのわからないことぜんぶ|車初心者のための基礎知識|」norico(ノリコ)https://221616.com/norico/freeze-windshield-item/

 

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