なぜ熱気球は空に浮かぶ?―空気と熱気球のヒミツ

2026/01/19(月) すべて空気と雑学

色とりどりの熱気球がゆっくりと大空に浮かび上がる光景はとても幻想的ですよね。国内でも各地のイベントで実際に熱気球を目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、なぜ巨大な熱気球が人を乗せて空に浮かぶことができるのか不思議に思いませんか?今回はそんな熱気球のヒミツについてご紹介します。

 

空気の性質を利用した熱気球

空気は目に見えませんが、重さを持っています。その重さは温度によって変化し、温かい空気は軽くなり、冷たい空気は重くなるという性質があります。空気は、温度が上がると膨張し、密度が低下することで軽くなります。反対に、温度が下がると収縮し、密度が増加することで重くなります。
密度が低い空気は、周囲の空気よりも軽くなり上昇する、この性質を利用したのが熱気球なのです。[1]

 

熱気球のしくみ

17831121日にフランスのモンゴルフィエ兄弟が人類史上初めて、熱気球による有人飛行を成功させました。
その構造は、主に「球皮」「バーナー」「バスケット」で成り立っています。
球皮と呼ばれる熱気球の風船の部分は、主に軽いナイロンやテトロンで作られています。熱気を包み込み、バーナーに近い部分は燃えにくい布素材が使われています。送風機によって膨らんだ球皮内の空気がバーナーの熱で温められることで上昇します。上部には丸い穴が開いていてリップパネル(排気弁)と呼ばれる布が内側から蓋をしています。リップパネルにつながる紐を引くと蓋が開き、熱気を抜くことで、降下することが可能です。
バーナーは、熱気球のエンジン部分にあたります。液体プロパンを強制気化させた強い出力の気化ガスを燃料にして強力な炎を出し、球皮の中の空気を一気に温めます。
そして人が乗るバスケットは、籐で編まれたものの使用が一般的となっています。籐の網目が着陸時の衝撃を吸収しやすく、昔から籐製のものが使用されているそうです。こうした素材選びも、空を飛ぶための重要な工夫なのですね。[2]

 

どうやって操縦する?

熱気球は、飛行機のように自由に方向転換ができません。操縦ができるのは、基本的に「上昇」と「降下」だけです。上昇したいときはバーナーで空気を温め、降下したいときは、リップパネルから少しずつ空気を逃がします。
では、どうやって進行方向を決めるのでしょうか。答えは「風」です。上昇、降下を繰り返すことで、いろいろな方向に吹く風に乗ることが出来るため、それを利用して移動します。目に見えない空気を相手にする、非常に繊細な操縦が求められるのですね。[2]

 

おわりに

熱気球は今もなお、200年以上前とほぼ同じ原理で空気の性質を利用して空に浮かんでいると考えると空気の偉大さを感じますね。
日本各地でもイベントで熱気球を目にすることはできるようですが、中でも佐賀県佐賀市で開催されている「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」はアジア最大級の熱気球の国際大会のようです。100機以上の色とりどりの気球が空へと浮かび上がる様子は圧巻なのだとか。空気をより身近に感じられる熱気球を見に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

空気科学住宅事務局


[1]「空気の重さと気温の関係とは?なぜ暖かい空気は軽くなるのか、気象の仕組みを基礎から解説」-気象予報士アカデミー https://yohoushi.jp/learn/air-temperature-and-weight/
[2]「BALLOON 気球とは?|日本気球連盟」 https://jballoon.jp/about_balloon
[3]「バルーンのまち 佐賀市」[佐賀市シティプロモーション]https://www.city.saga.lg.jp/promotion/main/2373.html

 

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