空気と生活

虫食いやカビを防ぐ衣替えの手順

2022/10/06(木) すべて

10月は衣替えのシーズンです。夏に着た洋服はきちんとお手入れをしてから収納しないと、翌年に出してみたら、シミや虫食いでガッカリ…なんてことも。秋の衣替えで気をつけたいポイントをまとめます。

 

衣替えの前に、夏服の点検

10月とはいえ、暑い日も多く、いつ衣替えをするのがいいのか悩む人も多いです。最高気温が20℃を切る日が増えてきたら、衣替えのタイミングです。

オールシーズン着られる洋服も増えているため、衣替えをしないという人も増えていますが、洋服の入れ替えをしなくとも、このタイミングで夏服の点検をしておくことをおすすめします。

この夏一度も袖を通さなかった服はないか、またボタンが取れたり、ほつれたりしている服はないか、シミや汚れが残った服はないかを確認しましょう。

長く着ていなかったとはいえ、まだ着られる洋服は処分しにくいですが、冠婚葬祭用のものを除いて、2シーズン着ていなければ、再び袖を通す可能性はほとんどありません。収納スペースに余裕がないと、通気性が悪くなり、洋服が傷みやすくなる上に、着られる洋服まで埋もれてしまうことがあります。この機に取捨選択しましょう。

 

一度でも着ていたら、必ず洗濯を

点検をしたときに汚れを見つけた洋服はもちろん、汚れが見つからなくても一度でも着た服や、白や淡い色の服、また着用頻度が高かった服は、衣替え前に再度洗濯をしておくと安心です。

夏は皮脂の分泌量が増え、肌に触れやすい襟周りや脇の下、袖口などに汚れがつきます。皮脂汚れは繊維内にも入り込み、通常の洗濯だけでは落としきれていないことがあります。汚れが残っていても、その時点では目立たないのですが、時間とともに酸化して、黄ばみや黒ずみとなり、次の年に着ようとしたときに気づくことも。

気になる洋服は、衣替え前に酸素系漂白剤を使ったつけ置き洗いをしておくことをおすすめします。お湯に酸素系漂白剤を加えて溶かし、30分程度つけ置きます。お湯の温度が高い方が皮脂汚れは落ちやすいですが、熱いお湯は生地を傷めてしまうことがあるので、洗濯表示を確認し、使用できるお湯の温度を確認しましょう。あとは普通通りに洗濯をして、しっかり乾かしてから、収納します。

 

詰め込みすぎず、立てて収納

夏物衣類は薄くて小さく畳めるものが多く、衣替えの際に収納ケースに目一杯詰め込んでしまいがちです。また、洋服を積み重ねて入れると、長く保管するうちに、下の方の洋服にシワがついたり、型崩れをしてしまうことも。湿気は下に溜まるため、下の服のカビや傷みも心配です。

収納ケースを使うときには、シワがくっきりつくほどに詰め込むのは避け、できるだけ立てて収納するのがおすすめです。ケースの大きさによっては、立たせて入れるのが難しいことがありますが、ブックエンドや小さなカゴを使うことで、入れやすくなります。また、柔らかい生地の洋服は小さめに畳むことで立たせやすくなります。収納ケースの幅や高さに合わせて、畳み方を調整しましょう。

 

除湿剤や防虫剤で洋服を守る

収納内の湿気は、洋服の黄ばみなどのシミやカビ、虫食いなどに繋がることがあります。クローゼットや収納ケースに合った除湿剤を用意すると安心です。衣替えが終わったあとは、次のシーズンまで入れっぱなしにしてしまいがちですが、できれば定期的に扉や引き出しを開けて、換気をしておくといいでしょう。

また、防虫剤は、衣類の上に置きます。揮発した成分は空気より重いため、上から下に効果が広がります。

なお、除湿剤も防虫剤も収納内がギュウギュウ詰めだと、効果が減ってしまいます。容量の8割程度を目指しましょう。

 

クリーニングサービスを利用する

自宅で洗濯ができない洋服は、クリーニング店へ依頼をしてから収納します。返却時にかぶせられているビニールは外し、一晩程度陰干しをしてから、しまうようにしてください。ビニールをかぶせたままで収納すると、クリーニングで使った溶剤や湿気が残って、黄ばみやカビの原因になることがあります。

「衣替えの手間が面倒」「収納するスペースが足りない」という場合は、クリーニング店の保管サービスを利用するのもひとつの手です。多くのクリーニング店で、クリーニング後の洋服を翌シーズンまで預かってくれるサービスを行っています。適切な環境で保管してくれるので、大切な洋服やかさばる洋服だけでも利用するというのも便利です。

 


河野真希(家事アドバイザー)
https://www.kawano-maki.net/

記事一覧|2022年10月

ページトップへ