
寒い日の夜に大活躍する羽毛布団は軽くて暖かい優れものの寝具ですよね。 部屋の空気は冷たいのに、ふんわりとした羽毛布団に入ってしまうと朝までポカポカで眠ることができます。でも羽毛布団はとても軽いのに、どうしてあれほど暖かいのでしょうか。そのヒミツは、羽毛そのものではなく、その間にたっぷりと含まれた空気にあります。
羽毛布団の正体は”空気のかたまり”

空気には様々な性質がありますが、その1つが「熱伝導率」の低さです。一般的に金属は熱伝導率が高く、樹脂や木材、水などは金属の1/100以下程度、空気はさらにその1/10程度の熱伝導率なのだそうです。熱伝導率の高い物質は熱が伝わりやすく、低い物質は熱が伝わりにくくなるため、空気は熱が伝わりにくいということが分かります。[1] 羽毛布団はその空気の性質を利用しています。 1つ1つの羽毛のことをダウンボールと呼びますが、このダウンボールに細かく生えている小羽枝(しょううし)が、周囲の空気をたっぷり抱え込み、中に空気の層をつくります。この空気の層が、体から出た熱を、外へ逃がしにくくすることで、羽毛布団の中の暖かさを保っています。 羽毛で暖められているのではなく、体温を空気で包み込んでいるということなのですね。[2]
湿気と羽毛の意外な関係

羽毛布団は暖かいだけでなく、蒸れにくいという特徴もあります。ダウンボールは、室温が低いと開き、空気をたっぷりと含んでふくらみます。反対に、室温が高くなると閉じるため、ふくらみは抑えられます。このふくらみが抑えられているときに布団の中の熱や湿気を外に逃がそうとするので、通気性がよくなります。ダウンボールを閉じたり開いたりしながら、暖かさを閉じ込めつつ、余分な湿気は逃がして空気の量をコントロールすることで布団の中の温度調節を行っています。[2]
正しい干し方で「空気の層」を取り戻す

羽毛は室温だけでなく、乾燥することでもダウンボールが開いてたくさんの空気を含んでふくらみます。湿気を含んでしまった羽毛布団は、干して湿気をしっかりとることで本来のふくらみを取り戻すことができます。天日干し、もしくは陰干しでこまめに干すことがいいのだとか。干すときのポイントは、“たたかない”こと。羽毛布団の場合、強くたたくと羽毛が傷んでしまうのでほこりが気になる場合は布団クリーナー等で吸い取ることが大切です。また、シーズンオフに羽毛布団を片付けるときには布団圧縮袋での収納は羽毛が壊れて元に戻らなくなる可能性があります。羽毛布団用の収納袋に折りたたんで収納し、なるべく湿気がこもらない場所での保管がおすすめです。[3]
暖かさを守るということは、空気を守ること

羽毛布団の仕組みを知ると、たっぷりと含まれた空気が、私たちの体温をそっと包み込み、外の冷たさから遠ざけてくれていることが分かりますね。 こまめに布団を干して湿気を逃がしたり、収納するときにぎゅうぎゅうに押し込まないようにしたり、そうした何気ないお手入れは羽毛そのものだけでなく、そこに含まれている空気も守ることにつながっています。 身近なところで空気の力に助けられていると思うと、目には見えないけれどその存在の大切さに気付かされますね。
空気科学住宅事務局
[1]株式会社エコム「熱伝導の基礎知識」 https://ecom-jp.co.jp/tech/detail/v92tcon.html
[2]株式会社和雲「羽毛布団はなぜ暖かいのか?奇跡の温度調節の仕組み。」 https://wakumo.co.jp/blogs/story/down
[3]株式会社和雲「簡単にできる、羽毛布団のお手入れ方法」和雲https://wakumo.co.jp/pages/maintenance