空気科学住宅にお寄せ頂きましたご相談・ご質問に対して、国立病院機構都城医療センター附属看護学校 非常勤講師 野口大輔先生監修のもと、該当する学術論文をお探しし、ご案内してまいりました。

今後は、喘息・アトピー性皮膚炎が起こる原因や空気環境との因果関係について野口先生による【論文紹介】を掲載してまいります。

喘息とアトピー性皮膚炎の具体的な予防方法や室内環境の改善方法についても紹介していますので参考にしてみてください。
詳細が気になる方は、オリジナル論文にも訪れてみてください。

 

2024/3/26

No.7 チリダニ類の生態および温湿度変動からみた室内環境の乾燥化とアトピー性疾患

近年、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症などのアレルギー性疾患が世界的に増加しています。わが国において1960年代までこれら疾患は家系的な、比較的稀な疾患であるとみなされていましたが、1991年の厚生省の調査では国民の約3割が何らかのアレルギー症状を有し、急増していることが示されました。アレルギー性疾患には遺伝的素因と環境的要因が関係しており、疾患の増加要因としては生活環境の変化が大きいと推定されています。特にこれら疾患の主要な病因アレルゲンが、室内生息性のヒョウヒダニ類の糞や虫体成分に由来することが判明し、都市化や住宅の気密化、断熱化、高層化、冷暖房の普及などにより室内環境が温暖湿潤化することで、ヒョウヒダニ類の増殖や生息に好適な環境になってきたことによると推測されています。

今回紹介した論文では、チリダニ類の生態学的特徴や生息分布と住環境との関連および温湿度変動について、アトピー性疾患の発症、悪化との関連から考察した結果、ダニ相の変化やアトピー性疾患の増加の一因として生活環境の温暖乾燥化が推察され、疾患の予防にはダニなどのアレルゲン対策と同時に、皮膚や粘膜の過乾燥を防止するように生活環境の湿潤化を図ることが重要であると述べられています。だからこそ「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

チリダ二類の生態および温湿度変動からみた室内環境の乾燥化アトピー性疾患
須藤千春
環境技術 1999年28巻3号 p. 167-173

 

2024/2/15

No.6 室内空気環境における新たな汚染物質

今回の論文は、室内空気汚染に関する問題及び研究動向などに関して、東京工業大学、鍵直樹先生がまとめた論文です。

室内の空気汚染物質としては、浮遊粉じん、二酸化炭素、一酸化炭素、ホルムアルデヒドが良く知られていますが、その他の物質についてはご存知ですか。
論文では、今後注目すべき室内空気環境汚染として考えられる微生物由来揮発性有機化合物(MVOC)、微粒子(PM2.5)及びハウスダストに吸着する準揮発性有機化合物(SVOC)について、それぞれの概要と健康影響に関する知見及び発生源との対策など、今後の課題について述べています。空気はいろいろな場所・あらゆる場面で大事。あらゆる観点で空気をリサーチし、喘息・アトピー・アレルギーがいかに空気環境に影響されるのか。だからこその「空気に配慮した暮らし」⇒”空気科学住宅”が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

室内空気環境における新たな汚染物質
鍵直樹
保健医療科学,2014 Vol.63 No.4 p.350-358

 

 

2024/1/19

No.5 4.喘息に関連する生活環境

喘息の増悪、発症において極めて重要な環境因子である気象や喫煙、さらにガス状物質、自動車交通由来物質、粒子状物質などの汚染物質や黄砂について大気汚染が喘息病態に及ぼす新たな機序の解明につながる可能性を概説した論文です。

結果は、大気汚染の制御は喘息の増悪のみでなく今後の喘息の発症増加に対して早急に解決すべき重要な問題であると結論づけられており、特にそのサイズから末梢気道まで到達可能であることにより喘息の発症や増悪における中心的プレーヤーと考えられるPM2.5について、日常生活の留意事項として汚染からの曝露を可能な限り減らすことが最も重要であるという内容でした。以下にその参考対策例を示します。

(1)汚染の激しい日(PM2.5 70μgm3 以上)は汚染状況を逐次確認し不要不急の外出を避ける。(2)外出する際はマスクを着用する。(3)屋外での 長時間の運動を控える。(4)帰宅後は手洗いやうがいを徹底する。(5)ドアや窓を閉め風が通る隙間をふさぐ。(6)室内では空気清浄機なども機種によっては有効である(フィルターの清掃交換などをこまめに行う)。

だからこそ「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

4.喘息に関連する生活環境 専門医のためのアレルギー学講座 ―第19回 加齢・生活習慣とアレルギー
金廣 有彦
アレルギー64 (8),2015年 64 巻 8 号 p. 1117-1126

 

 

2023/12/20

No.4 断熱性能・開放式暖房の使用と子供の疾病に関する多重ロジスティック回帰分析

空気調和・衛生工学会の”断熱性能・開放式暖房の使用と疾病に関する多重ロジスティックの回帰分析”という論文を読みました。冬季の住環境と子供の疾病の関連を検討し、開放式暖房使用による空気汚染がアレルギー性鼻炎に影響している可能性について解説した論文です。

燃焼ガスを室内に排出する暖房器具、石油ファンヒーターなどを使用することで室内の水分量が多くなりカビやダニの繁殖を助長することが指摘され、また低断熱住宅は、温度差が生じやすく結露が発生しやすいため、カビやダニが繁殖し易い環境になると言われています。このようなカビやダニの繁殖し易い環境は、気管支炎喘息を悪化させる要因であると様々な論文を通して報告されていることからも、環境要因の一つとして考えられる住環境を日頃から気にすることが子供の疾病を防ぐことにつながること学びました。だからこそ「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

断熱性能・開放式暖房の使用と子供の疾病に関する多重ロジスティック回帰分析
大橋 桃子, 伊香賀 俊治, 村上 周三, 藤野 善久, 小島 弘, 伊藤 真紀, 池田 知之, 明内 勝裕
空気環境・衛生工学会大会学術講演会令和3年度大会(福島)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編
セッションID: F-39

 

 

2023/12/15

No.3 室内環境の微生物に関わる最近の話題(4) 職場環境における微生物汚染と対策

コロナや季節性インフルエンザの集団感染を防ぐにはどうしたらよいか?特に室内環境の具体的な対策方法について大変興味があると思います。今回紹介した論文“室内環境の微生物に関わる最近の話題(4) 職場環境における微生物汚染と対策”は、いくつかの例を示しながら様々な室内環境におけるヒトの健康に影響を与える要因と対応策について解説しています。

私たちは1日のうちの多くを室内で過ごしています。ヒトからヒトに感染する感染症ばかりではなく、その建物の環境に潜む微生物汚染が様々な健康被害を生み出し、その発生源の特定の必要性と「元から断つ」という対策が必要であることを知りました。エアコンや空気清浄機・加湿器など、建物の設備が汚染されている場合には、感染源が空気中で曝露され多くの人に健康被害を与えます。また設備の清掃や改修などの経済的な問題も発生します。だからこそ日頃から「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

室内環境の微生物に関わる最近の話題(4)職場環境における微生物汚染と対策
石松 維世 
室内環境, 2019 年 22 巻 3 号 p. 289-294

 

 

2023/12/12

No.2 喘息患児の室内環境整備 〜空気・塵埃中の真菌叢の調査から

今回の論文は、喘息児の環境整備の指導をする時、切り放して考える事が出来ない気管支喘息の室内における吸入アレルゲン(ハウスダスト、ダニ、真菌・カビ、ペットのほこりなど)に関して調査を行った論文です。

論文では、喘息児宅2軒を対象とし、床がフローリング(木製の床)の居間とカーペット敷きの居間でのハウスダストの量ならびにカビの分布にっいて調査を行い、以下の結果を得ています。1.検出コロニーの第一位がCladospOmum spp.、次いでYeast、Aureobasidium spp.、Penicillium spp.、Arthrinium spp、の順であった。アレルゲン性のある真菌は総コロニー数の65.5%であった。2.検出菌数は室外の方が室内の2.8倍であった。室内のみから検出された真菌は8種類であった。3.床材の異なる居間での空中真菌数を比較すると、カーペットを敷いてピアノや応接セット等を置いた居間ではフローリングの居間よりも1.8倍多かった。検出菌属はカーペットのある居間の方が多かった。4. 採取した塵埃量と検出菌属(括弧内は種類)はカーペットの居間から春1.7g (9種)、夏2.1g (12種)、フローリングの居間から春0.7g (6種)、夏0.8g (10種)で、カーペットの方が多かった。5.空中浮遊酵母はCriptococcus albidus 、Rodotrula rubraの順に検出された。Candida albicansは検出されなかったが、他のCandida属は総酵母数の11.6%であった。

カビとダニを増やさない環境づくりが、喘息の悪化を防ぐ1番の近道だと感じました。

換気を行わない場合、掃除機やエアコンを作動させた後、舞い上がったダニの死骸や卵は1時間も空気中を浮遊しているそうです。その空気をどれほど吸っているかを考えるとゾッとします。だからこそ「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

喘息患児の室内環境整備 ~空気・塵埃中の真菌叢の調査から~
石黒 彩子, 土井 まつ子
日本小児看護研究学会誌, 1994 年 3 巻 2 号 p. 108-113

 

 

2023/12/1

No.1 花粉症と気管支喘息との関連についての調査

今回紹介した論文は、「花粉症と気管支喘息との関連についての調査」です。本論文では、山梨県内と隣接地域の耳鼻咽喉科施設を受診したアレルギー性鼻炎患者3,804名を対象に1月か5月の花粉飛散時期における喘息症状の実態に関するアンケート調査が行われています。

花粉の季節になると、「鼻水や目のかゆみといった花粉症の症状が出てうんざり」という方は少なくないと思います。そして、「家に帰ると花粉症の症状がさらに悪化する気がする」とおっしゃる方も。 家の中なのに花粉症の症状が悪化する理由は、室内にたくさんの花粉が侵入・蓄積しているからです。「花粉症対策では、室内の対策がもっとも重要」と言われます。だからこそ「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。 

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

花粉症と気管支喘息との関連についての調査
渡邉 大輔, 渡辺 浩介, 小澤 仁, 島村 歩美, 藤森 功, 松崎 全成, 増山 敬祐, 松岡 伴和, 代永 孝明, 渡部 一雄, 櫻井 大樹
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌, 2023 年 3 巻 1 号 p. 7-13

 

 


 

野口 大輔
国立高等専門学校機構都城工業高等専門学校 教授
九州大学大学院総合理工学研究院 教授
国立病院機構都城医療センター附属看護学校 非常勤講師

所属学会:公益社団法人応用物理学会、公益社団法人日本表面真空学会
研究内容:地域資源(シラス等)を活用した新規機能性材料の開発と工学的応用
     薄膜作製技術を駆使した機能性無機薄膜の作製と物性評価
研究実績:野口 大輔 (Daisuke Noguchi) - マイポータル - researchmap

 

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