森の中を歩くと、なぜか自然と深呼吸したくなりますよね。木々のざわめき、やわらかな光、そして、どこかすがすがしい空気。
この「森の空気」、実はちょっと特別なんです。
森の空気にふくまれる“癒やし”の成分
森の中の空気には、私たちをリラックスさせる小さな物質、「フィトンチッド」がふくまれているんだとか。 これは植物から発散される揮発性物質で、植物が生命を維持・成長をするために、幹や葉から大気中に放出しているもので、この物質を浴びることを森林浴というそうです。[1]
森林浴の効果は近年の医学的な実験においてはまだまだ限られたデータや知見しか得られていないようですが、林野庁の調査報告書があったので少しご紹介しますね。林野庁が医療・福祉機関等と連携しつつ森林を活用した健康増進の取り組みを推進するために行った実証データの収集・分析及び科学的検証の調査報告では血液検査において森林環境に居るだけでコルチゾール(ストレスホルモン) が減少することが報告されているんです。[2]
なんだか自然の偉大さを感じますね。
家の中でも「森の空気」を感じるには
森林浴のような“空気のリズム”を感じる時間を、日常の中に取り入れたいですよね。 たとえば、観葉植物を置くだけでも、植物は光合成で酸素を出し、空気中の湿度をほどよく保ってくれるのでおすすめです。 もう少し森を感じたい!という方はヒノキやスギのアロマを焚くのはどうでしょう?香りがプラスされることでより気分が満たされそうですよね。
おわりに
森の空気は、ただの酸素のかたまりではなく、植物や水、光がつくり出す「自然の調和」そのもの。私たちの心がほっとするのも、きっとその空気の中に“いのちのリズム”を感じ取っているからでしょう。 次の休日、森に行く機会があったら、ゆっくり深呼吸してみてください。 あなたの体の中にも、森の空気がやさしくしみこんでいくはずです。
空気科学住宅事務局
[1] 森林科学研究所 森 孝博 岐阜県の林業 1998年11月号掲載
https://www.forest.rd.pref.gifu.lg.jp/rd/rinsan/9811gr.html
[2] 林野庁 「森林の健康と癒し効果に関する科学的実証調査報告書(要旨)」
https://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h16-3gatu/0310s1.pdf