秋を迎える前にやっておきたい家事に、カビ対策があります。カビというと、梅雨時のイメージかもしれませんが、実は、秋も気をつけなければいけない季節です。特に注意したいエアコンと寝具の掃除やお手入れの方法を紹介します。
実は、秋もカビが生えやすい季節
カビが好むのは、気温20~35℃、湿度が70%以上の環境と言われています。雨の多い梅雨時はカビや湿気を気にする人も多いですが、油断しやすいのが秋。夏はカビにとって最適な気温より高温になる日も多く、カビの増殖がやや抑えられますが、気温が下がり、秋雨や台風などの影響で湿度が上がる秋は、再び梅雨時と似た環境となり、カビが再び繁殖しやすくなるのです。
また、暑い夏は掃除が億劫になるという人も多いことでしょう。カビはホコリなどの汚れを栄養分として繁殖します。汚れている場所は、カビにとって好環境。秋までに汚れを落としておくことがカビの対策にもつながります。
暖房シーズンの前にエアコン掃除を
しばらく使っていなかったエアコンを久しぶりにつけたら、嫌なニオイが…という経験をしたことはありませんか。この原因はエアコン内部に繁殖したカビ。エアコンを使うことで、カビを部屋中にまき散らしてしまっている可能性もあります。
特に冷房から暖房に移り変わるときは要注意。エアコンの冷房は温かい空気を冷たい空気に変換し、室内に吹き出します。その過程で水が発生し、多くはドレンホース(排水ホース)で屋外へ排出されますが、その内部には湿気が残ります。また、エアコンのフィルターはホコリなどの汚れが溜まりやすい場所です。湿気と汚れが合わさったエアコンの内部は、そのまま放っておけば、あっという間にカビの温床になってしまいます。
冷房を使用しない時期になったら、送風運転を3~4時間し、エアコン内部に溜まった湿気を乾燥させましょう。送風機能がない場合は、冷房にし、設定温度を一番高い温度にして稼働させることで、送風と同じ効果が得られます。
次に、フィルターの汚れを落とします。溜まったホコリなどを掃除機で吸ってから取り外し、水洗いをします。フィルターはエアコンを使っているとすぐに汚れるので、秋だけでなく、月に1~2回を目安に掃除をするといいでしょう。なお、フィルターの奥にカビが発生した場合は、自分で掃除することは難しいので、専門の業者にクリーニングを依頼することをおすすめします。
湿気を溜めない寝具のお手入れ方法
布団を干したり、シーツを洗濯したりといった労力がかかる家事は、暑い季節は後回しにしてしまいがち。ただ、汗や皮脂などがついた寝具を長くそのまま使っていると、カビやニオイにつながります。また、秋はダニも気になる季節。ダニもカビ同様、温度と湿度、そして栄養(汚れ)の多い場所で繁殖します。さらにダニは夏に多く繁殖し、秋になる頃には死んで、その糞や死骸が寝具に残ります。それらが原因となって、くしゃみや鼻水、咳、目のかゆみといったアレルギー症状を引き起こすことも。秋には寝具のお手入れをして、取り除いておく必要があります。
布団は天気がいい日を見計らって、1~2時間天日干しをし、しっかりと乾燥させます。そのあと、表面に掃除機をかけ、ホコリやダニの糞、死骸などを取り除きましょう。掃除機には布団用のノズルか、布団クリーナーを用意するのがおすすめです。屋外に布団が干せないという場合は、布団乾燥機があると便利です。天日干しだけではダニが死滅する温度まで上げることが難しいですが、布団乾燥機であれば、高温でダニを退治できます。
また、シーツや布団カバー、枕カバーもこの機に洗って、しっかりと乾燥させましょう。夏物から入れ替える場合には、防虫剤や除湿剤を使用しておくと、翌シーズンも安心して使えます。
河野真希(家事アドバイザー)
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